職務経歴書のテンプレート(記入例付き)と書き方ポイント

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看護師として転職を考える際、履歴書と並んで必要となるのが「職務経歴書」です。しかし、いざ書こうとすると「どこまで書けばいいのか」「自分の経験をどう整理すれば伝わるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。特に医療現場では、職場によって業務内容が大きく異なり、単に年数や所属だけでは実力を正確に伝えにくい傾向があります。
この記事では、看護師向けの職務経歴書テンプレート(記入例付き)を紹介しながら、各項目ごとにどのように書けば、面接や給与交渉で評価されやすいかを具体的に解説していきます。経験年数に関わらず、今のあなたの力を正確に、そして魅力的に伝えるための書き方をマスターしましょう。
職務経歴書とは?
職務経歴書とは、これまでにどのような職場で、どのような業務に携わってきたのかを具体的に記載する文書であり、主に転職時に提出する書類です。履歴書が「いつ・どこで働いていたか」という経歴の概要を示すのに対し、職務経歴書は「何をして、どんなスキルを身につけたか」「その経験を次の職場でどう活かせるか」を伝える役割を持ちます。特に看護師の場合は、配属されていた診療科や患者層、経験した医療処置、チーム内での役割などを具体的に書くことで、採用側に即戦力かどうかを判断してもらいやすくなります。また、自己PRや志望動機、看護観を記載することによって、人柄や価値観が伝わり、面接前の重要な判断材料となるため、内容の質が合否を左右する大切な書類です。
職務経歴書のテンプレート(記入例付き)
職務経歴書
作成日:令和〇年〇月〇日
氏名:〇〇 〇〇
【職務要約】
看護師として通算12年の臨床経験があり、うち8年間は急性期病棟に勤務。整形外科・内科・脳神経外科など複数の診療科を経験し、急変対応や術前術後管理にも従事してきました。リーダー業務や後輩指導も経験し、チーム医療において柔軟な対応力と連携力を発揮してきました。
【職務経歴】
■〇〇医療センター(公立病院)
勤務期間:2019年4月~現在
雇用形態:正職員
配属先:内科・循環器病棟(40床)
【業務内容】
・急性期患者のバイタル管理、内服・点滴管理、心電図モニター管理
・急変時の対応(BLS、救急対応)
・入退院支援、医師・MSWとの連携
・新人看護師へのOJT指導
■△△総合病院(民間病院)
勤務期間:2015年4月~2019年3月
雇用形態:正職員
配属先:整形外科病棟(45床)
【業務内容】
・術前術後の観察、ドレーン・ギプス管理
・ADL向上支援、リハビリスタッフとの連携
・回復期患者への退院支援と家族対応
【自己PR】
これまで急性期から回復期まで幅広い患者様と関わる中で、変化に気づく観察力と、チームで連携しながら動く柔軟性を培ってきました。特に患者・ご家族の不安を軽減するための丁寧な説明や、医師・他職種とのコミュニケーションには自信があります。今後は、これまでの経験を活かし、質の高い看護を提供できるよう努めてまいります。
【活かせる資格・スキル】
・正看護師免許(2011年3月 取得)
・BLSプロバイダー資格(2020年6月 取得)
・電子カルテ操作経験:富士通HOPE(2015年〜現在)、NEC-Medicom(2019年〜2021年)
・リーダー業務・プリセプター経験あり(2018年〜継続中)
・医療安全委員会メンバー(2022年〜2023年)
【志望動機(任意)】
貴院の「患者中心の医療」とチームケアの考え方に深く共感しました。私のこれまでの経験やスキルを活かし、患者様が安心して療養できる環境づくりに貢献したいと考え、応募させていただきました。
職務要約(キャリアサマリー)の書き方ポイント
職務要約は、職務経歴書の冒頭に記載する「自己紹介文」にあたる部分であり、採用担当者が最初に目を通す場所でもあります。そのため、ここでは過去の経歴を単に列挙するのではなく、「自分がどんな看護師で、どのような経験を積んできたのか」を3〜5行ほどでコンパクトにまとめることが重要です。
書く内容としては、看護師としての総経験年数、主な勤務先(急性期・慢性期、介護施設などの区分)、経験した診療科や病棟、そして自分の強みとなる看護スキルや特性などを盛り込みましょう。たとえば「急性期病棟で5年間勤務し、術後管理とチーム医療に従事。後輩指導経験あり」など、簡潔かつ具体的にまとめると効果的です。
読み手に「この人はどんな看護師なのか」を一目で伝え、続きを読みたくなるような内容を意識して書くと、採用担当者の印象にも残りやすくなります。
職務経歴の書き方ポイント
職務経歴の欄は、これまでの勤務先ごとの詳細な業務内容を伝える最も重要なパートです。ただの時系列の羅列にならないように、それぞれの職場で「どんな役割を担い、何をしてきたか」、そして「どんな成果や経験を得たか」を明確に伝えることが求められます。
まず、勤務先名・期間・雇用形態・配属先を明記し、その後に業務内容を具体的に記載します。診療科や患者層(高齢者中心、術後管理、終末期など)、看護技術(点滴・吸引・モニター管理等)、関わったチーム(医師・リハ職との連携)、役割(リーダー、プリセプターなど)を盛り込むと説得力が増します。
「日々の業務を淡々とこなしていた」ではなく、「◯◯の看護に従事し、患者満足度の向上に貢献」や「急変時の初期対応を習得し、安全管理に寄与」など、成果や学びに触れることが面接でも好印象につながります。
また、応募する先が介護施設である場合、どんな医療行為の経験があるかはかなり重要な点として見られます。例えば、点滴や褥瘡、胃ろう、看取りの対応、医師との連携など、介護職員は看護職員を頼る状態になるため、経験を踏まえて適切に処置や連携ができるかが重要視されます。それらを行ってきたということが職務経歴からわかると、採用する側としても良い人材と捉えるでしょう。
応募先が求める人材像に近い経験を強調できると、なお良いので、応募先でどんな業務があるのか、どんな人材を求めて求人を出したのかについてはしっかりと想像してそれに自分の経験が合致しているということを分かってもらえるような内容にしていきましょう。面接の際にもこのつながりがしっかりとしていると、自分でも経験を活かせることや思いをしっかりと伝えることができますし、相手も自分の職場にマッチしている人だという風に強く感じることと思います。
自己PRの書き方ポイント
自己PRは、あなたの人柄や仕事への姿勢、そして他の看護師との差別化を図るための重要なパートです。ここでは、単に「まじめ」「責任感がある」といった抽象的な言葉にとどまらず、実際の経験に基づいた強みを具体的に表現することが求められます。
たとえば、「患者との信頼関係を築くコミュニケーション力に自信があります」と述べる場合、実際にご家族や患者から感謝された経験や、信頼構築がケアの向上につながったエピソードを添えると説得力が増します。チーム医療や後輩指導での工夫、課題を解決した行動などもPR要素になります。
また、応募先の理念や方針に共感している場合は、その考え方と自分の看護観を重ねて記載すると、「この職場に合いそうだ」と思ってもらえる可能性が高まります。自己PRは、あなたがその職場で「どんな価値を提供できるか」を伝える場であることを意識しましょう。
活かせる資格・スキルの書き方ポイント
「活かせる資格・スキル」の欄では、所有している資格だけでなく、現場で培った実務スキルも含めて記載します。単に資格名を並べるのではなく、取得年月や使用経験期間も明記することで、経験の深さや現在のスキルレベルが採用担当者に伝わりやすくなります。
たとえば、「正看護師免許(2011年3月取得)」のように書くことで、キャリア年数がひと目で分かります。また、BLS、ACLS、感染管理認定資格、NST専門療法士などの特定資格は、それを必要とする現場では即戦力として高く評価されます。
加えて、「電子カルテ操作経験(富士通HOPE・5年間)」や「プリセプター経験(2019年〜2023年)」といった実務スキルも明記しましょう。委員会活動やプロジェクト参加歴も、主体性やチーム貢献力をアピールする材料になります。
この項目は、あなたが現場に入ったときにすぐにどのような力を発揮できるかを判断する基準になるため、具体性と網羅性を意識して記載することが重要です。
まとめ
看護師としての職務経歴書は、ただ過去の職場や仕事内容を記載するだけの書類ではありません。それは、これまでどんな経験を積み、どんなスキルを身につけ、これからどのように現場に貢献できるのかを採用担当者に伝える「自己プレゼンテーション」のツールです。
本記事で紹介したテンプレートと書き方のポイントを活用することで、あなたの強みや専門性、看護に対する姿勢をより明確に、魅力的に伝えることができるはずです。とくに職務要約や自己PRの部分は、面接や給与条件の交渉にも大きな影響を与える重要な項目です。
転職は、これまでの経験を再確認し、自分自身を言語化する貴重な機会でもあります。ぜひこの職務経歴書を通して、あなたの看護師としての価値を正しく、そして自信を持って伝えてください。