人間関係が限界です。

無給・強制の業務蔓延、ピリピリ・嫌味・モラハラ…。

感情が限界です。

患者の前では笑顔、トイレの中では無表情。

やりがいが限界です。

感謝もお金もいいことしてる実感もない。

シフトが限界です。

感情も体力も、明けの朝には空っぽ。

看護師の仕事が怖くなった、それは限界が近いサインかもしれない

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夜勤前になると、お腹が痛くなる。ナースコールの音が鳴るたびに、心臓がきゅっと縮む。急変対応の場面を思い出すと、夜中に目が覚める。前は当たり前にできていたことが、最近やたらと「怖い」と感じる。これって、自分が弱くなったんだろうか。それとも、何かおかしいんだろうか。

もしこういう感覚に心当たりがあるなら、今日の記事は最後まで読んでほしい。「怖い」という感覚は、気持ちの問題で片付けられるものじゃないことが多い。

看護師という仕事は、もともとメンタルへの負荷が大きい

まず確認しておきたいのは、「怖い」と感じやすいのは個人の性質の問題ではなく、看護師という仕事そのものの特性によるところが大きいということだ。

厚生労働省の「令和4年度過労死等の労災補償状況」によると、「保健師、助産師、看護師」の精神障害の労災請求件数・支給決定件数は、全職種の中で2番目に多い。また業種別に見ると、医療業は全業種の中で精神障害の労災が最も多い業種となっている。

さらに日本看護協会の2023年病院看護実態調査では、2022年度に傷病による7日間以上の連続休暇を取得した看護師がいたと回答した病院は85.7%にのぼり、そのうち74.3%の病院でメンタルヘルス不調者がいたという結果が出ている。

つまり、メンタルの限界を経験する看護師は、特別な少数派ではない。多くの病院で、毎年のように起きている出来事だ。

夜勤前になると胃が痛くなって、トイレにこもることが多くなった。最初は「単に緊張してるだけ」だと思ってたけど、休みの日でも病棟のことを考えると同じ症状が出るようになった。これがおかしいことだって、しばらく気づかなかった。

「怖い」という感覚は、適応障害の典型的なサインのことがある

「仕事が怖い」という感覚の背景には、適応障害が隠れているケースが少なくない。適応障害とは、職場環境や日常生活のストレスが原因で、気分の落ち込み、不安、不眠、意欲低下などの精神症状や、頭痛、腹痛、吐き気などの身体症状が現れ、日常生活に支障をきたす状態のことだ。

適応障害には、特徴的なパターンがある。「出勤前」「仕事の連絡を見たとき」など、特定の場面で症状が強まるという点だ。逆に、休日や原因となる環境から離れているときは、落ち着いて過ごせたり、元気に見えることもある。

これが、適応障害が見過ごされやすい理由でもある。「休みの日は元気そうだから大丈夫」と周りから見えてしまう。でも本人は、平日の特定の時間帯に強い不安や恐怖を感じている。「仕事のことを考えただけで具合が悪くなる」という状態は、典型的なサインのひとつだ。

適応障害は、原因となるストレスが明確で、そのストレスが解消されれば改善に向かう傾向があるとされている。逆に言えば、ストレスの原因そのものを取り除かない限り、症状が続き、悪化していく可能性があるということでもある。長期化すると、うつ病に移行するリスクもある。

急変対応のたびに、その日の夜は同じ場面が頭の中で繰り返し再生された。「あのときもっとこうすればよかった」「次また同じことが起きたらどうしよう」って。休みの日でも、ふとした瞬間にその映像が出てきて、心臓がバクバクすることがあった。

新人だけじゃない、経験者にも「怖さ」は訪れる

「仕事が怖い」というと、新人看護師の悩みのように思われがちだ。でも実際には、経験を積んだ看護師にも同じ感覚が訪れることがある。

訪問看護の現場では、ベテランであっても「観察した症状が異常ないと判断しても、どこか見落としたのではないかと不安に感じてしまう」という声が報告されている。慎重に対応しようとするあまり精神的に疲弊し、「自分はこの仕事に向いていないのではないか」と感じてしまうケースもある。

これは、向き不向きの問題ではない。むしろ、責任感を持って丁寧に仕事をしてきた人ほど、その積み重ねの中で「怖さ」が育ってしまうことがある。

10年以上病棟で働いてきて、今さら「怖い」なんて言えないと思ってた。後輩には平気な顔をして指導してたけど、内心は処置のたびに「ミスしたらどうしよう」っていう気持ちでいっぱいだった。ベテランだから怖くないなんてことは、全然なかった。

「怖い」を我慢して働き続けると、どうなるか

適応障害の症状を抱えながら、「みんな大変なんだから」「自分だけ弱音を言えない」と我慢を続けると、状態は静かに進行していく。

  • 出勤前の腹痛・吐き気・頭痛が、徐々に毎日のものになっていく
  • 休日も仕事のことが頭から離れず、心から休めなくなる
  • 些細なミスへの恐怖が大きくなり、確認作業に異常に時間がかかるようになる
  • イライラが強くなり、家族や周囲との関係にも影響が出ることがある
  • 気づかないうちにうつ病へと移行し、回復に時間がかかるようになる

適応障害は、ストレスに晒されてから3ヶ月以内に症状が現れ、ストレスがなくなれば6ヶ月以内に回復するとされる。逆に言えば、原因となっている環境に身を置き続ける限り、回復は見込みにくい。

「あと少し頑張ったら異動できるかも」と思って耐えてたけど、その「少し」が結局1年以上続いた。気づいたときには、朝起き上がること自体がしんどくなってた。もっと早く、自分の状態を正面から見るべきだった。

「怖い」と感じたとき、まずできること

仕事が怖いと感じたとき、いきなり「転職」や「退職」を考えなくていい。ただ、以下のことは早めに行動しておく価値がある。

  • 心身の不調が2週間以上続いているなら、心療内科や精神科を受診する。適応障害は早期発見・早期治療が回復への近道になる
  • 「特定の場面でだけ怖さが強くなる」という自分のパターンを記録してみる。何が引き金になっているかが見えてくる
  • 今の職場で異動や働き方の調整ができるか、上司に相談してみる(ただし、相談しても何も変わらない職場も多い)
  • 「この環境にいる限り改善しない」と感じたら、環境を変えることを選択肢として持っておく

適応障害において最も大事なのは、原因となっているストレス環境そのものを変えることだ。気合いや根性で乗り越えられる問題ではない。

「怖い」のは、あなたが弱いからじゃない

「仕事が怖い」という感覚を持つことに、後ろめたさを感じる必要はない。看護師という仕事が、構造的にメンタルへの負荷が大きい職業であることは、データが示している。長年向き合ってきた仕事だからこそ、その重さが積み重なって「怖さ」として現れることもある。

その「怖さ」を抱えたまま、同じ環境に留まり続けることが、唯一の選択肢ではない。

転職して半年経った今、夜勤前に胃が痛くなることはなくなった。あの症状が「環境のせい」だったってことが、今になってようやくわかる。あのとき「自分がおかしいんだ」って思い込んでたのが、一番つらかった。

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