看護師の委員会が無給強制、これって違法じゃないの

定時を過ぎてから始まる感染対策委員会。夜勤明けに出席を求められる看護研究の発表会。「任意参加」と書いてあるのに来ないと白い目で見られるリスク管理研修。これ全部、タイムカードを切った後にやっていないか。そしてその時間、給料が出ていないのではないか。
「みんなそうだから」「仕方ない」で片付けてきたけど、本当にそれでいいのか。今日はそこを法律と照らし合わせて正直に書く。
委員会や研修は「労働時間」に入るのか
結論から言う。業務として参加を指示された委員会・研修・看護研究の時間は、労働時間として扱うのが適切だ。
これは個人的な意見ではない。日本看護協会が公式FAQで明確に示している見解だ。「業務上参加を指示された研修・委員会・看護研究等の時間は労働時間として取り扱うのが適切です。労働時間とみなされる研修・教育訓練が所定の勤務時間外に行われた場合には、残業代の支払いが必要です(労働基準法第24条1項)」とある。
さらに厚生労働省も「参加しないと不利益を受けるような研修・教育訓練は、使用者の指揮命令下に置かれた時間として労働時間にあたる」という考え方を示している。
つまり「任意参加」という名目であっても、来なければ評価に響く、来なければ後で何か言われる、という実態がある場合は、実質的に強制参加であり労働時間にあたる。その時間に残業代が出ていなければ、違法の可能性がある。
「当たり前」になっているだけで、おかしいことだらけ
具体的にどんなケースが問題になりうるか、並べてみる。
- 定時後に始まる委員会(感染対策・褥瘡・医療安全・退院支援など)への参加が残業申請なし
- 夜勤明けに「任意」と言われながら事実上出席が求められる研修や勉強会
- 看護研究の発表準備・資料作成をプライベートの時間に無給でやらされている
- 委員長・副委員長などの役割を無報酬でやらされ、その準備時間が労働時間外
- 「業務改善活動」として課される書類作成が、実質的にサービス残業になっている
感染対策委員会の委員長を任命されて、毎月の会議の資料作りが大変だった。仕事が終わってから自分のパソコンで作って、それで残業代ゼロ。「委員会活動は自己研鑽」って言われたけど、誰かに指定された仕事をやらされて自己研鑽って何なんだろう、ってずっと思ってた。
「自己研鑽」という言葉で丸め込まれている問題
「これは自己研鑽だから残業代は出ない」という説明を受けた人は多いと思う。でも自己研鑽と業務の境界線は、「自分の意思でやっているかどうか」だ。
病院から「委員になってください」「この研修に出てください」「看護研究をまとめてください」と指示されている時点で、それは自己研鑽ではなく業務だ。自分が好きで勝手にやっているわけじゃない。命令されてやっている。その違いがあいまいにされ続けることで、サービス残業が「当たり前」として定着している。
「勉強させてもらってるんだから残業代はいらないでしょ」って師長に言われたことがある。でも勉強させてもらってるのは病院側の都合で、私が頼んだわけじゃない。なんでその言葉に「そうですね」って返してたんだろう、と後から思った。
日本看護協会の調査が示すサービス残業の実態
日本医療労働組合連合会の調査では、月の超過勤務時間の平均は17.4時間なのに対し、実際に申告した時間の平均は8.7時間。約半分がサービス残業になっているというデータがある。委員会や研修への無給参加は、このサービス残業の一部を構成している。
「みんなやってるから」は、「みんな違法を黙認してきた」に言い換えられる。それが長年にわたって看護の職場で当然のものとして定着してしまった。
では実際にどうすればいいのか
「違法かもしれないとわかっても、申請できる雰囲気じゃない」という声は多い。それは本当にその通りだと思う。申請したら何か言われる、評価が下がる、という恐怖がある。だからここでは、できることを現実的に整理してみる。
- 残業申請を「相談」ではなく「報告」として提出する。「申請していいですか」と聞くのではなく「申請します」と伝えることで、断られにくくなる
- 委員会や研修の開始・終了時刻をメモしておく。いざというとき証拠になる
- 厚生労働省の総合労働相談コーナーは無料で相談できる。「うちの職場でこういうことがある」だけで相談できる
- どうしても申請できない職場環境が続くなら、それ自体が「転職を検討すべき理由」になる
転職してから気づいたんだけど、前の病院が異常だった。今の職場は委員会も研修も全部ちゃんと残業申請できるし、申請することに後ろめたさを感じない。「これが普通だったんだ」って思ったとき、前の職場でいかに当たり前に搾取されてたかがわかった。
休憩とれないのも、朝礼とか前残業も問題ありありですよ
「申請できない職場」にいること自体がすでに消耗だ
残業申請を「空気を読んで」できない職場というのは、働く人間を労働者として扱っていない職場だ。権利を行使することに罪悪感を覚えさせる構造が、すでにおかしい。
委員会や研修の無給参加を「仕方ない」と思い続けることは、その構造を認めることになる。疑問を持ち始めたなら、それはまともな感覚だ。
今の職場が変わらないなら、変わる場所に移ることも選択肢のひとつだ。看護roo!は登録無料。残業代が適切に支払われている職場かどうか、面接で確認すべきポイントも担当者に相談できる。まず情報だけ取っておこう。



