褥瘡・皮膚トラブルの看護計画|看護目標・OP・TP・EPの文例集【予防・発生後・短期目標】

褥瘡(床ずれ)と皮膚トラブルの看護計画の文例集です。看護目標(長期目標・短期目標)とOP(観察計画)・TP(援助計画)・EP(教育計画)を、褥瘡の「予防」「発生後」、湿疹・乾燥・スキンテアなどの「皮膚トラブル」に分けてまとめました。
在宅(訪問看護)・高齢者施設の場面を想定しています。
褥瘡の看護問題の立て方(リスク型と発生後で分ける)
褥瘡の看護計画は、まだ発生していない「褥瘡リスク状態」と、すでに発生している「皮膚統合性障害」で問題の立て方が変わります。
・予防(リスク型):長期臥床・低栄養・失禁・るい痩などの要因から褥瘡発生のリスクが高い状態。ブレーデンスケール等でリスクを評価し、予防計画を立てる
・発生後:すでに褥瘡がある状態。深達度・大きさ・滲出液等(DESIGN-R等で評価)に応じて、治癒促進と悪化・拡大防止の計画を立てる
褥瘡の看護目標(長期目標・短期目標)の文例
| 区分 | 長期目標の例 | 短期目標の例 |
|---|---|---|
| 予防 | 褥瘡を発生させず、皮膚の統合性が保たれる | 2時間ごと(体圧分散寝具使用時は適宜延長)の体位変換が実施され、好発部位に持続する発赤がみられない |
| 予防(栄養) | 栄養状態が改善し、褥瘡リスクが低減する | 必要栄養量の8割以上が摂取でき、体重・血清アルブミン値が維持される |
| 発生後 | 褥瘡が治癒し、再発しない | 創部の感染徴候(発赤増強・熱感・滲出液の増加・悪臭)がみられず、創サイズが縮小傾向となる |
| 発生後(疼痛) | 疼痛なく安楽に過ごせる | 処置時・体動時の疼痛の訴えが減少する |
褥瘡予防の看護計画(OP・TP・EP)
OP(観察計画):
・好発部位(仙骨部・踵部・大転子部・後頭部等)の皮膚状態(発赤・水疱・表皮剥離)
・リスク評価(ブレーデンスケール等)、活動性・可動性の変化
・栄養状態(食事摂取量・体重・検査データ)、水分摂取量
・失禁の有無、おむつ内の湿潤状態
・体圧分散用具の使用状況と適合
TP(援助計画):
・体位変換の実施(時間・体位を記録し、同一部位の圧迫を避ける)
・体圧分散寝具(エアマットレス等)・クッションの導入と調整
・ずれ・摩擦の防止(背上げ後の背抜き、移動時は持ち上げる)
・皮膚の保清・保湿、失禁時の速やかな交換と陰部洗浄
・栄養改善の支援(管理栄養士との連携、補助食品の検討)
EP(教育計画):
・家族・介護職へ体位変換の方法と褥瘡の初期サイン(消退しない発赤)を説明する
・おむつ交換時に皮膚を観察するよう指導する
褥瘡発生後の看護計画(OP・TP・EP)
OP(観察計画):
・創部の状態(深さ・大きさ・滲出液・壊死組織・肉芽の状態・周囲皮膚)※DESIGN-R等で経時評価
・感染徴候(発赤増強・熱感・腫脹・悪臭・発熱)
・疼痛の有無・程度、処置への反応
・全身状態(栄養・血糖・浮腫)
TP(援助計画):
・主治医の指示に基づく創処置(洗浄・外用薬・ドレッシング材の管理)
・創部への圧迫を避けるポジショニングの徹底
・処置時の疼痛への配慮(声かけ・愛護的な操作)
・体圧分散・栄養管理・保清は予防計画を継続強化する
EP(教育計画):
・家族へ処置の見守りポイントと悪化時(滲出液増加・悪臭・発熱)の連絡基準を説明する
・介護職と圧迫を避ける介助方法・皮膚観察の視点を共有する
皮膚トラブル(湿疹・乾燥・スキンテア)の看護計画と短期目標
高齢者は皮膚のバリア機能が低下しており、乾燥(老人性乾皮症)・湿疹・皮膚炎・スキンテア(皮膚裂傷)などのトラブルが起こりやすくなります。褥瘡以外の皮膚トラブルの看護計画のポイントと目標例です。
短期目標の例:
・保湿ケアの継続により、皮膚の乾燥・掻痒感が軽減する
・掻き傷(掻破痕)が新たに生じない
・スキンテアが発生せず、皮膚の統合性が保たれる
・おむつ皮膚炎(発赤・びらん)が改善する
OP(観察計画):
・皮膚の乾燥・落屑・発赤・湿疹・浸軟の部位と程度
・掻痒感の訴え、掻破行動の有無
・スキンテアのリスク(皮膚の菲薄化・内出血・テープ使用・四肢のぶつけやすさ)
TP(援助計画):
・入浴・清拭後の保湿剤塗布(こすらず押さえるように塗る)
・熱すぎる湯・ナイロンタオルでの強い摩擦を避ける
・スキンテア予防(アームカバー・環境の角の保護・愛護的な介助)
・おむつ皮膚炎には撥水性皮膚保護剤の使用と速やかな交換
EP(教育計画):
・本人・家族へ保湿剤の塗り方・爪切りの重要性を指導する
・皮膚が裂けやすいことを介助者間で共有し、四肢をつかまない介助方法を統一する
在宅・施設でのポイントとケアプランとの連携
在宅の褥瘡ケアは、訪問看護だけで完結せず、体位変換・おむつ交換を担う家族・介護職との連携が治癒を左右します。福祉用具(体圧分散寝具)の導入や訪問回数の調整はケアマネジャーとの相談が必要です。
ケアプラン側の文例は褥瘡(床ずれ)のケアプラン文例、皮膚トラブル(湿疹・皮膚炎・スキンケア)のケアプランにまとめています。看護計画の目標とケアプランの短期目標をすり合わせる際にご活用ください。
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