特養の看護師はきつい?病院から転職して見えた現実と、働きやすい施設の見分け方

特養の看護師はきつい?病院から転職して見えた現実と、働きやすい施設の見分け方

「特養なら夜勤もないし、病院より楽だよ」。病棟で働いていたころ、介護施設に移った先輩からそう聞いたことがあります。ところが数年後、別の先輩が同じ特養から病院に戻ってきて、「特養のほうがきつかった」と話していました。

同じ特養でも、楽だと感じる人と、きついと感じる人がいます。この記事では、特養の看護師がきついと言われる理由を、病院から特養に移った同僚や先輩の話をもとに整理し、きつい施設と働きやすい施設の違いまで書いていきます。

特養の看護師がきついと言われる理由

特養(特別養護老人ホーム)は、常に介護が必要な高齢者が生活する場所です。病院のように治療をする場所ではないので、医療処置の数は病棟より少なくなります。それでも「きつい」という声が多いのは、病院とは違う種類の負担があるからです。

看護師が少なく一人で判断する場面が多い

特養の看護職員の配置基準は、入所者が30人以下なら1人以上、31人から50人なら2人以上、51人から130人なら3人以上です。たとえば入所者が80人の施設でも、基準上は看護師3人で足りることになります。

実際には基準より多く配置している施設もありますが、休みや研修を考えると、日中に看護師が1人か2人しかいない日も珍しくありません。病院から特養に移った同期は、「病棟ならすぐ隣の先輩に相談できたのに、特養では自分が判断するしかない。その怖さが最初の半年はずっとあった」と話していました。

医師が常にいない中で受診させるかを決める

特養の医師は、多くの場合、週に数回だけ来る嘱託医です。入所者さんが発熱した、食事を食べない、転んで頭を打った。そうしたときに、様子を見るのか、嘱託医に連絡するのか、救急車を呼ぶのかを、まず看護師が判断することになります。

この判断が特養の看護師のいちばんの重さだと思います。受診させて何もなければ「大げさだ」と言われ、様子を見て悪化すれば「なぜ受診させなかったのか」と言われる。どちらに転んでも責任を感じる場面が続くのは、精神的にかなりこたえます。

夜勤はなくてもオンコールがある

特養の看護師は日勤のみの働き方が多い一方で、夜間は自宅で電話を待つオンコールを担当する施設が多くあります。夜中に介護職員から「熱が出ています」「呼吸がおかしい気がします」と電話がかかってきて、電話で指示を出したり、施設に駆けつけたりします。

先輩のひとりは、「夜勤はないけど、オンコールの日は電話が気になって熟睡できない。月に8回オンコールが回ってきた月は、夜勤をしていたころより疲れていた」と言っていました。オンコールの回数と手当は、施設によって大きく違います。

介護職との連携で板挟みになる

特養では、入所者さんの生活を支えているのは介護職員です。看護師は医療の視点から助言したり、医療的なケアを担ったりしますが、考え方の違いからぶつかることもあります。

「看護師はすぐ受診と言う」「介護のことをわかっていない」と言われることもあれば、看護師の側が「この状態をなぜもっと早く教えてくれなかったのか」と感じることもあります。ケアマネジャーや生活相談員、施設長も含めた人間関係の中で、看護師が少数派になりやすいのも、特養のきつさのひとつです。

医療処置が減ってスキルが落ちる不安

特養では、点滴や採血、急変時の対応など、病棟で日常的にしていた処置をする機会が大きく減ります。最初は「楽になった」と感じても、1年、2年とたつうちに、「病院に戻れなくなるのでは」という不安が出てくる人もいます。

特養で5年働いた先輩は、久しぶりに病院の面接を受けたとき、「最後に点滴をつないだのはいつですか」と聞かれて答えに詰まったそうです。特養で身につく力もたくさんありますが、病棟の技術から離れるという面は、知っておいたほうがいいと思います。

受診の付き添いと家族への対応

入所者さんが病院を受診するとき、看護師が付き添うことも多くあります。半日がかりの受診に付き添っている間、施設に残る看護師はさらに少なくなり、残った人の負担が一気に増えます。

家族への連絡や説明も、看護師の大事な仕事です。体調の変化を電話で伝えたり、看取りに向けて話し合ったりする場面では、言葉の選び方ひとつで家族の受け止め方が大きく変わります。病院ではこうした説明を医師がしていた人ほど、最初は戸惑うかもしれません。

看取りが続くことの重さ

特養は「終の住処」とも言われ、施設で最期を迎える入所者さんも多くいます。何年も関わってきた入所者さんを看取ることは、やりがいでもあり、同時に心の負担にもなります。

同期は、「病院では患者さんが退院していくけど、特養では最後まで一緒にいる。家族のように思っていた人が亡くなる月が続くと、さすがにしんどくなる」と話していました。

特養の看護師の1日の流れ

特養の看護師がどんな1日を過ごしているのか、同期が働いている施設の例をもとに書いてみます。施設によって細かい流れは違いますが、おおまかなイメージはつかめると思います。

朝は8時半ごろに出勤し、夜間の介護職員から申し送りを受けます。夜のうちに熱が出た人、眠れなかった人、転んだ人がいないかを確認し、その日の受診が必要な人を決めます。そのあと、経管栄養の注入やインスリンの注射、朝の服薬の確認、血糖測定などを行います。

午前中は、褥瘡や皮膚の処置、バイタルの測定、体調がすぐれない入所者さんの観察が中心です。嘱託医の回診がある日は、診てほしい人の情報をまとめて報告し、指示を受けます。受診が必要な人がいれば、病院への付き添いに出ることもあり、その間は施設に残る看護師がさらに少なくなります。

午後は記録や薬の準備、家族への連絡、ケアマネジャーとの話し合いなどが入ります。夕方には、夜勤の介護職員に注意が必要な入所者さんの情報を伝え、オンコールの担当者に引き継いで1日が終わります。同期は「処置の数は病棟より少ないけど、全部を自分で決めて回すから、頭はずっと休まらない」と話していました。

看護ルーが無料転職相談を受付中!

看護師不足の今、働く人は大切にされています。
プツっと限界が来る前に転職の情報収集を。


知らない転職会社より、看護師がみんな知ってる看護ルーに相談を!

看護師の転職なら看護roo!
みんな使ってる無料転職サポート
看護師求人をお探しなら「看護roo!」

特養の看護師の給料は病院より下がりやすい

特養の看護師は夜勤がないぶん、病棟から移ると給料が下がることが多いです。ある特養の運営法人が紹介している看護師の声には、病院から転職して「月10万円以上下がった」というものもあります。夜勤手当がなくなる影響が大きいからです。

オンコール手当がつく施設もありますが、1回あたり数千円程度のところが多く、夜勤手当の代わりになるほどではありません。給料が下がることを理解したうえで、それでも夜勤のない生活を選ぶかどうか。特養への転職を考えるなら、ここは最初に覚悟しておきたいところです。手取りがどれくらい変わるのかは、看護師の手取りを1年目から10年目まで書いた記事も参考にしてください。

一方で、給料の差をそこまで気にしなくなったという人もいます。病棟から特養に移った同期は、手取りが月に6万円ほど下がったものの、「夜勤明けのぼんやりした頭で過ごす日がなくなって、休みの日を丸ごと使えるようになった。お金には換えられない」と話していました。給料が下がることをどう受け止めるかは、その人が今の生活で何を大事にしたいかによって変わります。

特養と病院は看護師にとってどちらがきついのか

結局、特養と病院はどちらがきついのでしょうか。私が見てきた範囲では、きつさの種類がまったく違うというのが答えです。

病院のきつさは、業務量の多さと夜勤、急変の多さです。体力的にきつく、毎日が時間との戦いになります。一方で、困ったときに相談できる先輩や医師がすぐ近くにいます。

特養のきつさは、少ない人数で判断を背負うことと、オンコールです。体力的には病院より楽な日が多いものの、責任の重さを一人で抱える場面が多くなります。病院のスピード感に疲れた人には特養が合うこともありますし、一人で判断するのが苦手な人には、病院よりきつく感じられることもあります。

老健と特養は看護師にとってはどちらがきついか

介護施設への転職を考えると、特養と老健(介護老人保健施設)で迷う人も多いと思います。老健は在宅復帰を目指すリハビリの施設で、医師が常勤しており、看護師の配置も特養より多めです。そのぶん医療処置も多く、夜勤があるところがほとんどです。

医師がそばにいて相談しやすい環境を求めるなら老健、夜勤をせずに生活を支える看護をしたいなら特養、というのがおおまかな違いです。ただ、どちらがきついかは施設ごとの体制で変わるので、名前だけで決めないほうがいいと思います。

きつい特養と働きやすい特養の見分け方

同じ特養でも、施設によって働きやすさはまったく違います。転職を考えるなら、次の点を見学や面接で確かめておくと、入ってからの後悔を減らせます。

  • 看護師が何人いて、日中に1人だけの日がどれくらいあるか
  • 嘱託医がどのくらいの頻度で来て、電話で相談しやすい関係か
  • オンコールが月に何回あり、手当はいくらか。夜間に呼び出される頻度はどのくらいか
  • 看取りの方針が決まっていて、家族との話し合いが事前にされているか
  • 介護職と看護師の役割分担がはっきりしていて、話し合える雰囲気があるか
  • 施設長や上の立場の人が、看護師の仕事を理解しているか

オンコールを外部の業者に委託している施設や、嘱託医がすぐ近くで開業していて夜でも相談できる施設は、看護師の負担がかなり軽くなります。反対に、看護師が次々と辞めていて、求人が一年中出ている施設は注意が必要です。

求人票だけでは、こうした内部の事情はなかなか見えてきません。転職エージェントを通すと、オンコールの実際の回数や、看護師の定着率などを事前に聞けることがあります。

同じ地域の特養でもここまで違った

私の知人は、同じ市内にある二つの特養で働いた経験があります。最初の施設は看護師が3人で、オンコールは月に10回前後、嘱託医には電話がなかなかつながらず、夜中の判断はほぼ自分ひとりでした。1年で心身ともに疲れ切って辞めたそうです。

次の施設は看護師が6人いて、オンコールは月に4回ほど。嘱託医が施設のすぐ近くで開業していて、夜でも電話で相談できました。仕事の内容はほとんど同じなのに、「同じ特養とは思えないくらい楽だった」と話していました。特養がきついかどうかは、施設の体制でここまで変わります。

特養の看護師に向いている人と向いていない人

病院から特養に移った人たちを見ていると、特養が合う人にはいくつかの共通点がありました。入所者さんのちょっとした変化に気づける人、自分で判断して動くことにやりがいを感じる人、介護職と同じ目線で話せる人、ひとりの人と長く関わることが好きな人です。

反対に、高度な医療処置をたくさん経験したい人や、判断に迷ったときにすぐ誰かに相談したい人は、特養ではしんどくなりやすいと思います。看取りやオンコールに強い抵抗がある人も、事前に施設の方針をよく確かめておいたほうがいいでしょう。

病院で「看護師に向いてないのかも」と悩んでいた後輩が、特養に移って「やっと自分の看護ができている気がする」と話していたこともあります。病院で合わなかったからといって、介護施設でも合わないとは限りません。

特養がきついと感じたときの選択肢

今、特養で働いていてきついと感じているなら、ほかの職場に目を向けるのもひとつの方法です。オンコールが負担ならデイサービスやクリニック、医療処置から離れたくないなら訪問看護や病院、介護の業務が負担なら健診センターなど、何がきついのかによって合う職場は変わります。

特養の経験は決して無駄になりません。高齢者の小さな変化に気づく力や、医師がいない中で判断してきた経験は、訪問看護や介護施設、在宅医療の分野で評価されやすいものです。クリニックへの転職を考えている人は、クリニックで働きたい看護師さん向けの転職サイトのまとめも参考にしてください。転職で何を優先すべきか迷ったときは、看護師転職で重視すべきポイントも役に立つと思います。

特養の看護師がきついかどうかは施設しだい

特養の看護師は、病院のような忙しさや夜勤がない代わりに、少ない人数で判断を背負うこと、オンコール、介護職との連携、看取りといった、別のきつさがあります。そして、そのきつさの大きさは、施設の体制によって大きく変わります。

特養への転職を考えている人も、今の特養がきつい人も、まずは施設ごとの違いを知るところから始めてみてください。看護roo!は登録無料で、20万件以上の求人から「夜勤なし」「オンコールなし」などの条件で探すことができます。施設の内部事情について、担当者に相談することもできます。

看護roo!に無料登録する

今すぐ転職しなくていい。
でも、情報だけ持っておこう。

看護roo!に登録すると、担当者が無料でついてくれる。
求人探し・退職の伝え方・引き止めへの対処まで、一人で抱え込まなくていい。登録した人には「はじめての転職サポートブック」をプレゼント中。円満退職の進め方から、履歴書・面接対策まで全部入り。

ひとりで悩まないで頼ってみて
看護師の転職なら看護roo!

学生時代の国家試験対策や新人の時の勉強でお世話になった看護ルーさん、転職支援もやってるって知ってましたか?看護師ならみんな知っている看護ルーだからこそ、取り扱い求人もNo.1クラスで20万件越え
みんな使っていて、みんな知っているからこそ、他の転職サイトより圧倒的安心感 他の職場の看護師求人の給料や待遇をまずは調べたい人も、転職すると決心した人も、登録してみて損はないです★★★★★

「はじめての転職サポートブック」無料でもらえる!
看護roo!転職にカンタン登録!
記事一覧
あなたへのおすすめ